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加温ハイフロー輸液ポンプ プロジェクトストーリー

PROLOGUE / プロジェクト概要

本ページでは「加温ハイフロー輸液ポンプのプロジェクトストーリー」を題材に、メテク開発部の仕事を紹介します。
加温ハイフロー輸液ポンプは外傷や手術によって喪失した血液を補う際に、血液等を患者へ加温注入するために用いる装置で発案者の医師の思いを受け共同開発した結果、誕生しました。
製品を世に届けるまでには多くの困難がありました。プロジェクトに抜擢されたメンバーはどのように仕事に取り組み、臨床現場まで届けたのでしょうか。

PROJECT MEMBER

N.Y / 2010年入社

汎用輸液ポンプなどの開発経験を経て2014年から「加温ハイフロー輸液ポンプ」のプロジェクトリーダーを担当。専門は機械工学。

M.H / 2016年入社

システム・制御・ソフトウェア担当
趣味は登山で、制御システムは登山中に微分方程式と格闘の末、着想。

D.T / 2017年入社

電子回路・ハードウェア担当。
ハードウェア関連の検証やリスク検討(故障モード影響解析)、量産用基板の検査項目精査を行い、装置の品質確保に注力した。

Y.M / 2018年入社

機構設計担当。
機構部品の設計や評価、ポンプの改良設計に注力。
製造現場へ組立・検査方法の指導を行うなど部署間調整も担う。

#01 / 開発経緯 開発のきっかけ

本装置は医師からの提案で開発がスタートしました。
ご提案頂いた医師は過去に大量出血した症例を数多く経験され、ときには患者さんを失うこともありました。その経験から、「安全で使い易い装置があれば患者さんの命が助かったのではないか」と開発を決意され、メテクへの提案がありました。
医師の強い思いを受けて、メテクも開発を決意し、共同開発がスタートしました。

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#02 / 開発姿勢 医師の相棒を目指して

加温ハイフロー輸液ポンプは大量出血した患者さんや出血リスクの高い患者さんに使われる装置です。我々も医療従事者の一人として患者さんの事を考え、装置が医師の相棒として活躍する姿を思い描きながら日々開発しました。
開発のために治療現場に赴き、どういったシチュエーションでどう使われるのか、医師と議論することもありました。(左図)(上図)

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#03 / 開発で困難だったこと チームで超えた困難

筐体のデザイン・色から各部品の構造や配置に至るまで1から自分たちで設計しました。困難な課題も多くありましたがソフト、電子、機械それぞれの専門家が知識、経験をもとに、アイデアを出し合い解決しました。特に重要な加温部はトライ&エラーの繰り返しにより課題を乗り越え技術の確立に至りました。
そして自分達が開発した装置が製造ラインに並び、製造へとバトンを繋ぐ事ができました。

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#04 / 製品完成 製品出荷

メーカーとして新製品の出荷は一大イベントです。
初出荷はこれまで携わっていただいた方全員で喜び、「いよいよスタートするぞ」という期待と緊張が入り混じる思いを経験しました。
チームメンバと一緒に汗をかいて、一緒に喜びました。

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#05 / 得られた成果 ものづくりの感動

患者さんの横に装置が設置されたとき、改めてメテクは医療機器を作っているという、言葉で表せない胸に迫るものがありました。特に何の問題もなく使えたことを医師と喜び・安堵しました。医師と共に ものづくりの感動を経験することができました。

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プロジェクトの主な流れと
開発部の業務

  1. 基礎検討

    • ・製品構想
    • ・技術検討
  2. 要素技術開発

    • ・加温技術
    • ・温度制御技術
    • ・ポンプ技術
    • ・圧センシング等
  3. 設計開発

    • ・システム・制御設計
    • ・機構設計
    • ・筐体設計(板金・成形品等)
    • ・組込みソフトウェア開発
    • ・電子回路設計
    • ・ノイズ対策(EMC評価)
  4. 量産

    • ・量産移管
  5. 上市

    • ・改良開発
    • ・最新規格の対応

EPILOGUE

製品開発プロジェクト体制は、機械、電子、ソフトウェアなど各分野の専門家で構成されます。
世代や専門性はみな異なりますが、共通しているのはものづくりが好きなことです。新しい技術の確立はいくつもの課題に直面しますが、みなで意見を出し合いながら解決策を見出し、時には新しい発見に感動を覚えます。そんなメンバーと医療へ貢献したいという信念を持って日々開発に取り組んでいます。